猫の口内炎(歯肉口内炎)。よだれ・口臭・食べづらいサインと治療

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猫の口内炎(歯肉口内炎)|よだれ・口臭・食べづらいサインと治療

最終更新日:2026年7月29日

猫の口内炎(歯肉口内炎)。よだれ・口臭・食べづらいサインと治療

猫の口内炎(歯肉口内炎)は、口の中がひどく腫れて痛む病気。よだれ・口臭・食べづらそうがサインです。とても痛いので早めに受診を。治療は歯石除去や抜歯、痛みの管理が中心。やわらかい食事の工夫も助けになります。

愛猫の口からよだれが垂れる、口が臭う、食べたそうなのに食べられない——そんな様子に気づいたら、口内炎(歯肉口内炎)かもしれません。これは、口の中がひどく炎症を起こして腫れ、強い痛みを伴う猫の病気です。

口内炎は、猫にとってとてもつらく、痛い病気。「たかが口内炎」と侮ると、痛みで食べられなくなり、どんどん元気を失ってしまいます。人間の口内炎とは比べものにならないほど深刻なこともあるのです。

この記事では、口内炎のサイン、原因、動物病院での治療(歯石除去や抜歯)、食べやすくする食事の工夫、そして予防まで、やさしく解説します。愛猫の痛みに早く気づき、和らげてあげるために、ぜひ知っておいてください。

▲ 獣医師がやさしく解説する猫の口内炎の原因と治療(日本語)

猫の口内炎(歯肉口内炎)とは?

要約口の中の粘膜や歯ぐきがひどく炎症を起こす病気です。強い痛みを伴い、食べる・毛づくろいするといった日常に大きく影響します。慢性化しやすいのも特徴です。

まず、この病気を知っておきましょう。猫の口内炎(歯肉口内炎)は、口の中の粘膜や歯ぐき、のどの奥がひどく炎症を起こして赤く腫れる病気です。専門的には「慢性歯肉口内炎(FCGS)」と呼ばれます。

いちばんの特徴は、とても強い痛みを伴うこと。人間の口内炎も痛いものですが、猫のこの病気は口の広い範囲に及び、食べることさえつらくなるほどです。そのため、食欲はあるのに食べられない、という切ない状態になることもあります。

また、慢性化しやすく、治療にも根気が必要な病気です。でも、正しく対応すれば痛みを和らげ、また元気にごはんを食べられるようになります。まずはサインに気づいてあげることが第一歩です。


見逃さないサイン

要約よだれ、口臭、食べづらそう・食べこぼす、食欲はあるのに食べない、口を気にする、毛づくろいが減る、体重減少などがサインです。気づいたら受診しましょう。

口内炎には、気づいてあげたいサインがあります。次のような様子に心当たりがあれば、口の中をチェックしてみましょう。

表1:口内炎のサイン
猫の口内炎のサイン
サイン内容
よだれ・口臭口から嫌なにおい・よだれが増える
食べ方食べたそうなのに食べられない・こぼす
行動口を気にする・食事中に鳴く
全身毛づくろい減少・体重減少

出典:猫の口内炎に関する一般的知見(獣医師監修情報)を参考に整理。獣医師監修:猫の口内炎

代表的なのが、よだれが増える、口が臭う、食べたそうにするのに食べられない・食べこぼす、食事中に痛がって鳴くといった様子です。口が痛いため、毛づくろいをしなくなって毛づやが悪くなる、口を前足で気にする、体重が減ることもあります。

口の中をそっと見て、歯ぐきやのどの奥が真っ赤に腫れているようなら、口内炎の可能性が高いです。ただし痛がって嫌がる場合は無理をせず、動物病院で診てもらいましょう。早く気づいてあげるほど、愛猫のつらい時間を短くできます。


口内炎の原因

要約歯垢(プラーク)への過剰な免疫反応が主な原因と考えられています。歯周病やウイルス感染(カリシウイルス、猫エイズ・白血病)が関わることもあります。

口内炎がなぜ起こるのか、その原因にはまだ分かっていない部分もありますが、いくつかの要因が知られています。

最も重要と考えられているのが、歯垢(プラーク)に含まれる細菌に対して、免疫が過剰に反応してしまうことです。ふつうなら問題にならない程度の刺激に、体が強く反応して、口の中を激しく炎症させてしまうのです。歯周病が関わっていることもあります。

また、猫カリシウイルスなどのウイルス感染、猫エイズウイルス(FIV)や猫白血病ウイルス(FeLV)が背景にある場合もあります。原因によって対応が変わることもあるため、動物病院でしっかり調べてもらうことが大切です。多頭飼いでは、ウイルス検査もあわせて相談するとよいでしょう。


とても痛い病気。早めの受診を

要約口内炎は激しい痛みを伴い、放置すると食べられずに衰弱します。自然に治ることは期待しにくいので、疑わしいときは早めに動物病院を受診してください。

口内炎で何より大切なのは、「とても痛い病気」だと理解し、早めに受診することです。ここを軽く見ると、愛猫を長くつらい思いにさせてしまいます。

この病気の痛みは相当なもので、放っておくと、痛みで食べられなくなり、どんどん衰弱していきます。食欲はあるのに食べられない姿は、見ている飼い主もつらいものです。そして残念ながら、自然に治ることは期待しにくい病気でもあります。

だからこそ、「よだれ・口臭・食べづらそう」に気づいたら、早めに動物病院へ。市販薬や自己判断でのケアで様子を見るのではなく、専門家に診てもらうことが、痛みを取り除く最短の道です。早期の受診が、愛猫の生活の質を大きく左右します。


動物病院での治療

要約歯石除去や、原因となる歯を抜く抜歯が有効なことが多く、あわせて痛み止めや炎症を抑える薬を使います。抜歯で大きく改善する子も少なくありません。

口内炎の治療は、動物病院で、その子の状態に合わせて行われます。どんな治療があるのか知っておくと、獣医師と相談しやすくなります。

表2:動物病院での治療
猫の口内炎の治療
治療内容
歯石・歯垢除去口内の細菌を減らす
抜歯原因の歯を抜く(有効なことが多い)
痛み・炎症の薬痛み止め・ステロイド等
抗生剤必要に応じて

出典:口内炎の治療に関する一般的知見(獣医師監修情報)を参考に整理。動物病院:猫の慢性歯肉口内炎

治療の柱になるのが、歯石・歯垢の除去と、炎症の原因となっている歯を抜く「抜歯」です。プラークへの過剰反応が原因のため、歯そのものを取り除くことで大きく改善する子が多いのです。あわせて、痛み止め、炎症を抑える薬(ステロイドなど)、必要に応じて抗生剤で痛みと炎症をコントロールします。

治療の内容や範囲は、炎症の程度によってさまざま。内科的な管理で様子を見る場合もあれば、思い切った抜歯が必要な場合もあります。大切なのは、獣医師とよく相談し、その子に合った方針で、痛みを取ることを最優先にすること。慢性の病気なので、長い付き合いになることも理解しておきましょう。


「歯を抜く」ことへの不安

要約抜歯と聞くと不安になりますが、痛みの原因を取り除く有効な治療です。歯を抜いても、多くの猫はやわらかい食事などで問題なく食べられるようになります。

「歯を抜く」と聞くと、「かわいそう」「食べられなくなるのでは」と不安になる飼い主さんは多いものです。その気持ちは、とてもよく分かります。

でも、口内炎における抜歯は、痛みの原因そのものを取り除く、とても有効な治療です。痛みで食べられなかった子が、抜歯後に痛みから解放されて、むしろよく食べるようになることも少なくありません。歯を残して痛み続けるより、抜いて楽にしてあげるほうが、その子の幸せにつながることが多いのです。

そして、歯を抜いても、猫は問題なく食べられます。やわらかいフードにするなどの工夫で、しっかり栄養をとれます。抜歯に不安があるのは当然のこと。疑問や心配は、遠慮なく獣医師にぶつけて、納得したうえで治療を進めていきましょう。


食べやすくする食事の工夫

要約口が痛い間は、やわらかいウェットフードや、ふやかしたフード、ぬるめの温度など、食べやすい工夫を。少量をこまめに与えるのもおすすめです。

治療と並んで、飼い主にできる大切なサポートが食事の工夫です。口が痛い愛猫が、少しでも食べやすいように整えてあげましょう。

表3:食べやすくする工夫
口が痛い猫の食事の工夫
工夫ポイント
やわらかくウェット・ふやかす・ペースト状
温度人肌程度に温めて香りを立てる
与え方少量をこまめに
硬いフード痛いので避ける

出典:食事の工夫に関する一般的知見(獣医師監修情報)を参考に整理。動物病院:猫の口内炎

基本は、やわらかくて口に優しい食事。ウェットフードや、ドライフードをぬるま湯でふやかしたもの、ペースト状のフードなどが食べやすいです。冷たいままより、人肌程度のぬるめに温めると、香りが立って食欲もわきやすくなります。硬いドライフードは痛くて食べられないことが多いので避けましょう。

一度にたくさんより、少量をこまめに与えると、負担が少なく食べやすいこともあります。それでも食べられない、食欲がまったくないという場合は、栄養不足になる前に動物病院へ。食べられないことは緊急のサインです。愛猫の様子を見ながら、無理なく栄養をとれる方法を探していきましょう。


予防と日々のデンタルケア

要約歯垢のコントロールが予防のカギ。子猫のうちから歯みがきに慣らし、定期的に口の中をチェックしましょう。多頭飼いではウイルス感染の対策も大切です。

口内炎を完全に防ぐのは難しい面もありますが、日々のデンタルケアでリスクを下げ、早期発見につなげることはできます。できることから始めましょう。

原因の一つが歯垢への反応なので、歯垢をためないケアが予防のカギ。理想は、子猫のうちから少しずつ歯みがきに慣らしておくことです。難しい場合も、デンタルジェルや歯みがきシート、専用のおやつなど、その子に合う方法を無理なく取り入れましょう。定期的に口の中をのぞいて、赤みや腫れがないかチェックする習慣も大切です。

また、ウイルス感染が背景にあることもあるため、多頭飼いの家庭では、新入り猫のウイルス検査や、感染猫の隔離なども考えたいところ。何より、少しでも口のトラブルを感じたら早めに受診することが、重症化を防ぎます。愛猫の口の健康を、日々やさしく見守っていきましょう。


よくある質問(FAQ)

猫の口内炎はどんなサインで気づけますか?

よだれが増える、口が臭う、食べたそうにするのに食べられない・食べこぼす、食事中に痛がって鳴く、毛づくろいをしなくなる、口を前足で気にする、体重が減る、といったサインが代表的です。口の中の歯ぐきやのどの奥が真っ赤に腫れていることも。気づいたら早めに受診しましょう。

口内炎は自然に治りますか?

自然に治ることは期待しにくい病気です。とても強い痛みを伴い、放置すると痛みで食べられなくなり衰弱します。市販薬や自己判断で様子を見るのではなく、疑わしいときは早めに動物病院を受診してください。早期の受診が、愛猫のつらい時間を短くし、生活の質を守ります。

治療ではどんなことをしますか?

歯石・歯垢の除去と、炎症の原因となる歯を抜く『抜歯』が有効なことが多く、あわせて痛み止めや炎症を抑える薬(ステロイドなど)、必要に応じて抗生剤を使います。プラークへの過剰反応が原因のため、歯を取り除くことで大きく改善する子が多いです。方針は獣医師とよく相談しましょう。

歯を抜いて大丈夫でしょうか?食べられなくなりませんか?

抜歯は痛みの原因そのものを取り除く有効な治療で、痛みから解放されてむしろよく食べるようになる子も少なくありません。歯を抜いても、やわらかいフードなどの工夫で問題なく食べられます。不安な点は遠慮なく獣医師に相談し、納得したうえで治療を進めましょう。

口が痛い猫には、どんな食事がいいですか?

やわらかくて口に優しい食事がおすすめです。ウェットフードやぬるま湯でふやかしたフード、ペースト状のフードなどが食べやすく、人肌程度に温めると香りが立って食欲もわきやすくなります。硬いドライフードは避け、少量をこまめに。まったく食べられない場合は栄養不足になる前に受診してください。


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