犬・猫の窒息・のど詰まり応急処置|ハイムリック法

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犬・猫の窒息・のど詰まり応急処置|ハイムリック法【2026年版】

最終更新日:2026年7月21日

犬・猫の窒息・のど詰まり応急処置|ハイムリック法

のど詰まり(窒息)は一刻を争います。まず窒息のサイン(苦しそう・前足で口をかく・呼吸できない)を見分け、見える異物だけを慎重に取り除きます。取れなければハイムリック法や背中叩きを試しつつ、すぐ動物病院へ。日頃の備えが命を守ります。

愛犬・愛猫が急に苦しみ出し、のどに何かを詰まらせた——考えるだけで血の気が引く、緊急事態です。窒息は一刻を争うため、いざというときに落ち着いて動けるかどうかが、命を分けることもあります。この記事は、その「いざ」に備えるためのものです。

大前提として、これは応急処置であり、動物病院での治療に代わるものではありません。Paws Malaysia(パウズマレーシア)編集部が、窒息のサインの見分け方と、病院へ向かう間にできる対処を整理します。まずは、獣医師が誤飲・誤食時の対処を解説した動画から見てみましょう。

動画:ペットが誤飲・誤食した時の対処法を獣医師が解説(出典:YouTube「誤飲・誤食の対処法」)。※本記事は応急処置の情報で、受診に代わるものではありません。

1. まず「詰まった」を見分ける

要約窒息は、苦しそうにもがく・前足で口や顔をかく・呼吸ができない/ゼーゼー鳴る・パニックになる、などが典型的なサイン。ただの咳や逆くしゃみとは違います。呼吸ができていないなら一刻を争います。

まず、本当に「詰まっている(窒息)」のかを見分けます。窒息の典型的なサインは、急に苦しそうにもがく、前足でしきりに口や顔をかく、呼吸ができない・ゼーゼーと苦しそうな音、よだれ、パニックになって暴れる、口や舌が青紫色になるなど。ぐったりして倒れることもあります。

一方、犬が「ガーガー」と鼻を鳴らす逆くしゃみや、単なる咳は、苦しそうに見えても呼吸自体はできており、多くは一時的です。見分けの目安は「呼吸ができているか」。呼吸ができていない・意識がもうろうとしているなら、窒息の可能性が高く、一刻を争います。すぐ次の対処と、病院への連絡を並行して進めましょう。


2. 詰まりやすいものと予防

要約ボール、骨、大きすぎるおやつ、おもちゃの破片、ビニールなどが詰まりの原因に。体格に合ったサイズを選び、丸のみしやすいものは目を離さないこと。予防が最大の対策です。

そもそも詰まらせないことが、いちばんの対策です。原因になりやすいのは、体格に合わない大きさのボールやおもちゃ、加熱した骨、大きすぎる/硬すぎるおやつ、おもちゃの破片、ビニールや小物など。とくに勢いよく丸のみするタイプの子は要注意です。

予防のポイントは、その子の体格に合ったサイズ・硬さのものを選び、丸のみしやすいおやつやおもちゃは目を離さないこと。壊れたおもちゃは早めに処分を。おやつの安全な選び方はマレーシアのペットのおやつガイドも参考になります。下の表で、詰まりやすいものを確認しておきましょう。

表1:のどに詰まりやすいもの
犬・猫がのどに詰まらせやすいものの例。
もの注意点
ボール・おもちゃ体格に合わない小さめは丸のみ危険
加熱した骨・硬いおやつ裂ける・砕けて詰まる
おもちゃの破片壊れたら早めに処分
ビニール・小物誤飲しやすく窒息・腸閉塞の原因

出典:一般的な獣医情報に基づく。体格に合うサイズ・硬さを選ぶ。


3. 落ち着いて口の中を確認

要約まず落ち着いて。可能なら口を開け、舌を手前に引いて奥を確認します。見える異物は、押し込まないよう慎重に取り除きます。見えない奥を指で探るのは、詰まりを悪化させるので避けましょう。

窒息のサインがあれば、まず飼い主が落ち着くこと。パニックは犬・猫にも伝わります。可能であれば、そっと口を開け、舌を手前に引いて、のどの奥に異物が見えないかを確認します。異物が見えて、無理なく取れそうなら、慎重に取り除きます。

ここで絶対に避けたいのが、見えないのに指を奥まで突っ込んで探ること。かえって異物を奥へ押し込み、窒息を悪化させてしまいます。また、苦しむ犬・猫は驚いて噛むことがあるため、指を噛まれないよう注意を。口を開けさせてくれない・異物が奥で取れない場合は、無理をせず、次のハイムリック法や病院搬送に進みます。


4. ハイムリック法(腹部を圧迫)

要約異物が取れないときは、みぞおち付近を圧迫して押し出すハイムリック法を。小型犬・猫は抱えて、大型犬は後ろから。数回試して口を確認、を繰り返します。あくまで病院へ向かいながら行います。

口から取れないときは、腹部を圧迫して異物を押し出すハイムリック法を試みます。小型犬や猫は、背中を自分の体に当てるように抱え、肋骨の下(みぞおち付近)に握りこぶしを当て、内側・上方向へ数回すばやく圧迫します。大型犬は、後ろから抱えるようにして、同じくみぞおち付近を上方向へ圧迫します。

数回圧迫したら口の中を確認し、異物が出てこないか見ます。出なければ、次の背中叩きと交互に繰り返します。強くやりすぎると内臓を傷めることもあるため、力加減には注意を。これらはすべて、動物病院へ向かいながら行う応急処置です。可能なら、誰かに病院へ連絡してもらいましょう。下の表に手順の要点をまとめました。

表2:ハイムリック法・背中叩きの要点
犬・猫の窒息時のハイムリック法と背中叩きの要点。
対象方法の要点
小型犬・猫背を体に当て抱え、みぞおちを上方向へ数回圧迫
大型犬後ろから抱え、みぞおちを上方向へ圧迫
背中叩き肩甲骨の間を手のひらで数回強めに叩く
共通数回ごとに口を確認・病院へ向かいながら

出典:PetMD ほか一般的な獣医情報に基づく。力の入れすぎに注意。


5. 背中を叩く(肩甲骨の間)

要約ハイムリック法と交互に、肩甲骨の間を手のひらで数回、強めに叩く方法も有効です。頭を体より下げた姿勢だと、異物が出やすくなります。取れるまで、あきらめず交互に続けます。

ハイムリック法とあわせて行いたいのが、背中叩きです。肩甲骨(左右の肩の骨)の間を、手のひらで数回、しっかりと叩きます。可能なら、頭を体より少し下げた姿勢にすると、重力も手伝って異物が出やすくなります。小型犬や猫では、後ろ足を持って少し逆さ気味にする方法もあります。

大切なのは、ハイムリック法と背中叩きを、あきらめず交互に繰り返すこと。そして、そのたびに口の中を確認します。異物が出たら、無理に追加の処置はせず、呼吸と様子を見ながら、それでも必ず病院へ。時間との勝負なので、可能な限り誰かの助けを借りて、処置と搬送を同時に進めましょう。


6. 取れても必ず受診/取れないときは即病院

要約異物が取れても、のどや気道を傷めていたり、破片が残っていたりすることが。必ず動物病院で診てもらいましょう。取れない・呼吸が戻らないときは、一刻も早く救急対応の病院へ搬送します。

異物がうまく取れても、安心しきってはいけません。のどや気道が傷ついていたり、小さな破片が残っていたりすることがあります。また、一時的に呼吸が戻っても、あとから状態が悪化することも。取れた場合でも、必ず動物病院で診てもらいましょう

そして、応急処置で取れない場合や、呼吸が戻らない場合は、一刻も早く救急対応の動物病院へ搬送します。移動中も、可能なら処置を続けます。事前に、マレーシアのペット緊急連絡先リスト動物病院ガイドで、夜間・救急に対応する病院を調べておくと、いざというとき動けます。


7. 呼吸が止まってしまったら

要約異物を取り除いても呼吸がないときは、人工呼吸や心臓マッサージ(CPR)が必要になることも。ただし正しい方法を知らないと難しいため、可能なら電話で獣医師の指示を受けながら、病院へ急ぎましょう。

最も深刻なのが、異物を取り除いても呼吸が戻らないケースです。この場合、人工呼吸や心臓マッサージ(心肺蘇生=CPR)が必要になることがあります。ただし、これらは正しい方法を知らないまま行うのは難しく、リスクもあるため、日頃から知識を持っておくことが望まれます。

実際の緊急時には、可能なら動物病院に電話し、獣医師の指示を受けながら処置と搬送を同時に進めるのが現実的です。一人で抱え込まず、電話で助けを求めましょう。ペットの救命講習(ペットセーバー等)を受けておくと、いざというとき落ち着いて動けます。日頃の備えについては、次の章もあわせて確認してください。


8. マレーシアで備えておくこと

要約いざという時に慌てないため、夜間・救急対応の動物病院と連絡先を事前に把握し、家庭に救急セットを。移動手段(車・Grab)も想定を。備えがあるかどうかで、対応のスピードが変わります。

窒息のような緊急事態は、備えがあるかどうかで結果が変わります。マレーシアで暮らすなら、まず夜間・救急に対応する動物病院と、その連絡先・場所を、事前に調べて控えておくこと。いざというとき、探す時間はありません。

あわせて、家庭にペット用の救急セットを用意し、移動手段(自家用車やGrabなど)も想定しておきましょう。救急セットの中身はペットの家庭用救急セットガイドにまとめています。日頃から「もしも」を想定しておくことが、大切な家族の命を守る、いちばんの近道です。

表3:いざという時のための備え
ペットの窒息など緊急時に備えておきたいこと。
備えポイント
救急病院の把握夜間・救急対応の病院と連絡先を事前に控える
救急セット家庭にペット用の救急セットを用意
移動手段自家用車・Grab など搬送手段を想定
救命の知識ペット救命講習・応急処置を学んでおく

出典:一般的な獣医/救急情報に基づく。緊急時はまず動物病院へ連絡を。


よくある質問(FAQ)

Q1. 咳と窒息はどう見分けますか?

見分けの目安は「呼吸ができているか」です。窒息は、急に苦しみもがく・前足で口をかく・呼吸できない/ゼーゼー鳴る・口や舌が青紫になる・パニックになるのが典型。咳や犬の逆くしゃみは苦しそうでも呼吸自体はでき、多くは一時的です。呼吸ができていなければ一刻を争います。

Q2. のどの奥に指を入れて取ってもいいですか?

異物が見えて無理なく取れそうなら慎重に取り除いてよいですが、見えないのに指を奥まで突っ込むのは避けてください。かえって異物を押し込み、悪化させます。また苦しむ犬・猫は噛むことがあります。取れないときはハイムリック法や背中叩きに進み、病院へ急ぎます。

Q3. ハイムリック法はどうやりますか?

小型犬・猫は背を自分の体に当てて抱え、みぞおち付近に握りこぶしを当てて内側・上方向へ数回すばやく圧迫します。大型犬は後ろから抱えて同様に。数回ごとに口の中を確認し、背中叩き(肩甲骨の間)と交互に。強すぎると内臓を傷めるので力加減に注意し、病院へ向かいながら行います。

Q4. 異物が取れたら、もう病院に行かなくていい?

いいえ、必ず受診してください。取れても、のどや気道が傷ついていたり、破片が残っていたり、あとから状態が悪化することがあります。一時的に落ち着いても、動物病院で気道や全身をチェックしてもらうことが大切です。

Q5. いざという時のために、何を備えればいい?

夜間・救急に対応する動物病院と連絡先・場所を事前に把握し、家庭にペット用救急セットを用意しましょう。移動手段(車・Grab)も想定を。可能ならペットの救命講習を受けておくと安心です。備えのスピードが、緊急時の結果を左右します。


いざという時の相談先も、日本語で

「近くの救急病院がわからない」「もしもの備えを整えたい」——そんなときに日本語で相談できる Paws Malaysia(パウズマレーシア) という選択肢もあります。本業は日本⇄マレーシアのペット輸出入代行で、Petaling Jaya を拠点に活動。提携先のトリミングやペットホテル、送迎の手配も日本語でサポートしてくれます。困ったときの相談先として、知っておくと心強いです。

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